今回はPoser11/Pro11に標準装備されているPythonツール「Copy Values」の 紹介と簡単な解説です。 (※Dimension 3Dさんのサイトで無料配布されているものと中身は同じです。)
これは、以前このブログで紹介した「モーフの値をコピーする」ことに特化したCopy Morphsの 後継にあたり、「フィギュアの様々なパラメータの値をコンフォーム服にコピーする」ことが できるようにと豊富なオプションが追加された便利なツールです。

…が、この豊富なオプションが逆に敷居を高くしてしまったところも正直ありますので Poser初心者さん(いるのか?)のためにも、基本的なところから説明しませう。
<このツールの特徴>・スーパーコンフォームやPoserの自動同期設定を利用しない(できない)状態を 前提にしたツール。(モーフの自動同期については 前記事を参照のこと。) ・コンフォーム服にモーフデータを自動生成できるツール ではありません。 あくまでも「パラメータの値(ダイアルの数値)」をフィギュアから服にコピーするだけです。 ・ パーツ名(Body, chest など)と パラメータ名(Young, WaistWidth など)が 両方とも一致したパラメータのみ、その値がコピーされます。 ・ マグネタイズできます。 パーツ名に関しては、例えばコンフォームタイプの髪の場合、頭部に関連したモーフ(PHM)の 納まっている場所が人体フィギュアと同じ「Head」ではなく「Hair」だったり「Neck」だったりと パーツ名が一致しないケースが多々あるので、仮に後述するHead Morphsのオプションを ONにしたとしてもパラメータの値のコピーが空振りすることが多いです。 大文字小文字の違いは気にする必要ありません。(これはパラメータ名でも同様)
パラメータ名に関しては、内部名称(InternalName)と外部名称(Name)の2種類の どちらかが一致していれば同じ名称ということになります。 OptionのPartial MatchをONにした場合、完全に一致しなくても名称の大半(細かい条件 までは未確認)が一致していたらこのツールは動作するようです。(詳しくは後述)
マグネタイズに関しては、過去記事「超初心者向けV4解説」の「Q2:モーフで 変形させたV4に、服を一発でフィットさせる方法は?」をご覧ください、
<基本操作>
1) V4などの人体フィギュアに服をコンフォームさせる。 (フィギュアのパラメータを変更するタイミングはコンフォームの前後どちらでも可。)
2) Copy Valuesを起動する。 (「Scripts」メニューから「Partners」→「Dimension3D」→「Copy Values」を選ぶ。)
3) PoserのPreviewで人体フィギュアかコンフォーム服を選択する。 (部位はどこでも可。Copy Valuesを起動前に選択しておいても可。)
4) Copy Valuesの「Init」ボタンを押す。 (3で選択したものに応じたコンフォーム服のリストが表示される。詳細はボタンの解説で。)
5) 値をコピーしたいコンフォーム服をリストから選択する。
6) オプションを確認する。 (各オプションの解説は後述。)
7) Copy Valuesの「Apply」ボタンを押す。
これはあくまでも基本なので、実際に操作してみると順番が前後してもなんとかなる ことが多いです。極端な例で言うと、Copy Valuesを起動した後にコンフォーム服を削除したり 別のコンフォーム服を追加してもまったく問題なく動作します。
あと、操作対象は服だけじゃなく、コンフォームできるものなら髪でも靴でもOKです。
<ボタン>
・Init 基本操作3の「PoserのPreviewで選択」したものに応じたコンフォーム服のリストを表示する。
・人体フィギュア(=コンフォーム元)を選択 → すべてのコンフォーム服のリスト ・コンフォーム服を選択 → そのコンフォーム服のみ ・コンフォーム元・コンフォーム服のどちらでもない → 空欄
・Apply リストで選択されたコンフォーム服にオプションで設定されたパラメータの値をコピーする。
・Test ログ関連のオプション(Log Morph Transfer、Log Missing Morphs)がONになっている場合、 パネル下部にテスト結果のログのみ表示される。 コンフォーム服へのパラメータの値のコピーが実際におこなわれるわけではないので Previewでの変化はなく、ログ関連のオプションがOFFの場合は何も表示されない。
・Clear パネル下部のログを消去する。
「このコンフォーム服だけ処理したい」という場合は、「Init」ボタンの説明で書いたように 基本操作3でコンフォーム服を選択したほうがリスト操作を省けてラクです。
次はオプションについての説明…なんですが、最初のこのツールの特徴でも挙げたように スーパーコンフォームやPoserの自動同期設定を利用しない(できない)状態を前提に した内容ですので、その点をご留意ください。
<オプション>
・Body Morphs 体型などを変更するFBMやPBMなど、Body階層で操作できるモーフの 値のコピーを許可します。これは基本ONでしょう。
・Head Morphs Body階層で操作できるモーフの値のコピーを許可します。服の場合は基本OFFで。 コンフォーム髪の場合はこれをONにしないと意味ないですね。
・Actor Morphs Poserのフィギュアに関連して「Actor」という場合、NeckやChestといった各パーツのこと を指します。つまり、このオプションをONにすることですべてのパーツのモーフの値がコピー されることになるわけです。 人体フィギュアも服もBody階層でモーフを調整する方法が基本であることを考慮して、 私はOFFのまま使うようにしています。
・Joint Control Morphs 服によってはJCMの値を調整することで関節等の破綻を防いでいることもあったはずなので 人体フィギュアの値をコピーしてしまうとよろしくないかも…と考えて私はOFFにしてます。
・Body Scaling 身体全体のスケール。これは当然ONで。
・Actor Scaling 各パーツに個別設定されたスケール値をコピーします。 私はStephanie 4のBody階層にあるProportionsの各パラメータをよく利用するのですが、 このProportionsはジオメトリではなく各パーツのスケール値を上手い具合に変更するための パラメータなので、このActor ScalingをONにするだけで対応できちゃうんです。 ・Deformers 人体フィギュア側の隠しマグネットの影響がコンフォームさせた服にも及ぶようにします。 要するにマグネタイズです。 このオプションをONにすることで、「マグネタイズ用のPoseファイルを探してクリックして…」 という作業が今後一切不要になります。 PoserPro11の場合は、迷わずONでいいと思います。 …が、通常版のPoser11の場合は、ちょっと問題が発生してしまうんだなぁorz 詳しくは後述のHide Deformersの項目を読んでください。
<オプションのOptions>
・Partial Match パラメータ名が完全に一致しなくても名称の大半(細かい条件までは未確認)が 一致していたらコピーが実行されるようになります。 実際に試してみたところ、「Voluptuous」から「Voluptuous_B」へのコピーは実行されましたが 「FBMVoluptuous」から「Voluptuous」へのコピーは実行されませんでした。 想定外の誤動作をする可能性もゼロではないので、ONにする人はそのつもりで。
・Include Hidden 人体フィギュア側の隠しパラメータ(モーフとスケール)の値をコピーの対象にします。 V4などのPoserで一般的に使うフィギュアでそういう値を服にコピーしなければならない ケースがあるとは思えないのでOFFで。 でもまぁ、こういうオプションがあるということは、それを必要とする特殊なフィギュアが 実際にあるということなんでしょう。 うーん、ONにしてもたぶん弊害はないはずなんで、正直どっちでもいいかな。 ・Hide Deformers コンフォーム服にある「マグネットの影響度を調整するダイアル」をすべて非表示にします。 前述のDeformersオプションをONにしてこのツールを実行すると、コンフォーム服側に マグネタイズされたマグネットの影響度調整ダイアルがずら~っと表示されてしまうことに なるので全部非表示にしてしまおう、というオプション。 一度ONで実行して非表示になってしまうと、OFFにして再実行しても表示状態には 戻らないので注意。
問題は、表示させたままにしたいマグネットの影響度調整ダイアルが既にあるケース。 PoserPro11ならオプションONにして全部非表示になってしまっても、パラメータパレットの 右上の▲から「Show hidden parameters」をONにして隠しパラメータを全表示させた後、 表示させたままにしたいパラメータをWクリックしてParameter Settingダイアログを表示させ HiddenのチェックボックスをOFFにすることでまた表示状態に戻すことができます。
…が、通常版のPoser11の場合はこの手が使えないんですよねorz エディタなどを使ってサクサクとHidden属性の書き換えができる人なら問題ないと思いますが そうじゃない人はDeformersとHide Deformersの両オプションともOFFにして 通常のマグネタイズ用ポーズでやっつけたほうがいいかもしれません。
・Log Morph Transfer と Log Missing Morphs パネル下部のログを有効にします。 前者はコピーに成功したモーフ名と値、後者はコピーに成功しなかったモーフ名。 Testボタンを使う際にもこのオプションのONは必要なので、迷わずONにしておきませう。
ということで、このツールについてみなさんご理解いただけましたでしょうか? 私自身ちょっと知識的にあやふやな部分もありますので、「そこは違うぞ、こら!」という 箇所がありましたら、ツッコミコメントをいただけると幸いです。
次は、スーパーコンフォーミング服をコンフォーミング服に戻す方法でも書きましょうかね。 お疲れ様でしたm(_ _)m
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